【重要】永住ビザの独立生計要件について

  • 2019.08.02 Friday
  • 10:39

 

前回のエントリーでご紹介したとおり、永住ガイドライン改定に伴い、申請に必要な書類が大幅に増加しました。

 

7月1日の運用開始から1か月が経ち、改定後の審査動向も少しずつ明らかになってきました。

 

なかでも、下記のとおり住民税課税・納税証明書が直近3年分から直近5年分に加重されたことにより、いわゆる独立生計要件(入管法22条2項2号)の運用動向が注視されていました。

 


 

・直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料 ※従前は過去3年分

ア 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

イ 直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し,領収証書等)

 


 

すなわち、従前は直近3年間における収入状況(及び扶養状況)が主な審査対象であったところ、改定後は4〜5年前の収入状況等も考慮のうえ、許否が決定されるのか否かという点が必ずしも明らかではありませんでした。

 

提出を求める以上、審査対象になると考えるのが自然ではあるものの、独立生計要件は、あくまで「日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。」(ガイドラン、審査要領)であるため、直近3年間において安定した生計を維持している者が、4〜5年前において収入が低調だったことを理由に、「将来」における安定した生活が否定されるということに合理性があるのか、という点に疑問がありました。

 

この点について、入管局の実務運用によれば、独立生計要件においても、原則として過去5年分の収入が審査対象となるとのことでした。

 

したがって、たとえば、ここ3年間は安定した収入を維持できていたものの、4〜5年前において何等かの事情(転職、休職、産・育休等)で収入が低調だった場合、それを理由として独立生計要件を満たさないと判断されることもありうるということになります。

 

独立生計要件は、基本的には住民税課税証明書等に記載された年収額(すなわち、金額という数字)で客観的・一律的に認定することが可能であるため、国益適合要件に比べると、要件的評価における裁量の幅はさほど大きくないと考えられます。

 

そうなると、収入低調の事情等について説明・弁明を述べたとしても、欠陥を補うのは容易ではないと思われます。

 

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【重要】永住申請に際する必要書類が増えました

  • 2019.06.24 Monday
  • 11:42

 

先般当ブログでご紹介したとおり、『永住許可に関するガイドラン』が改定され、主に公的義務履行に関する審査の厳格化が見込まれていました。

 

この点について、今般永住許可申請に際する必要書類が更新され、法務省HP上で公表されました。

http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_EIJYU/zairyu_eijyu03.html

 

これによれば、従前と比べて主に下記点が加重されています。

 


 

・直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料 ※従前は過去3年分

ア 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

イ 直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し,領収証書等)

 

・国税の納付状況を証明する資料 ※従前は提出不要(以下同様)
源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税に係る納税証明書(その3)

 

・直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料
次のア〜ウのうち,ア又はイの資料及びウの資料の提出が必要。
ア 「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもの)
イ ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
ウ 国民年金保険料領収証書(写し)

 

・直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
ア 国民健康保険被保険者証(写し)
イ 健康保険被保険者証(写し)
ウ 国民健康保険料(税)納付証明書  
エ 国民健康保険料(税)領収証書(写し)

 

・申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合
次のア又はイのいずれかの提出が必要。
ア 健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)
イ 社会保険料納入確認(申請)書(未納の有無を確認する場合)

 


 

上記運用は令和元年7月1日(月)以降の申請から適用されるとされています。

(それ以前に申請した場合でも、審査の過程において追加で提出を求められる可能性があります)

 

なお、上記は「申請人の方が,就労関係の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」,「技能」など)及び「家族滞在」の在留資格である場合」の必要書類を抜粋したものですが、

その他の「申請人の方が,「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格である場合」「申請人の方が,「定住者」の在留資格である場合」「申請人の方が,「高度人材外国人」であるとして永住許可申請を行う場合」でも同様に加重されているため注意が必要です。

 

今後永住申請を行うにあたっては、今般のガイドライン改定の趣旨を踏まえ、今まで以上に慎重な事前確認・準備をすることが求められます。

 

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【トピックス】登録支援機関の登録状況と『生活・就労ガイドブック』

  • 2019.06.10 Monday
  • 12:24

 

登録支援機関の登録数は、2019年6月7日現在で462件となっています。

法務省HPにて最新の登録状況を確認できます。

 

申請件数は1,000件を超えているようなので、今後も随時増加していくものと思われます。

 

一方で、東京入管の担当窓口によれば、「特定技能」の在留資格が許可されたのは、現時点でまだ若干数とのことですので、おそらく、多くてもまだ10件前後〜数十件程度にとどまるものと推測されます。

しかし、先般、飲食店分野を中心に技能試験の合格発表があり、既に数百名の合格者が出ているので、7月以降、新たな特定技能外国人が誕生すると考えられます。

 

なお、法務省は年に4回のペースで特定技能外国人の受入状況を公表するとしていますので、入管法で定められている定期届出のうち、改正後初回となる「第2四半期」(4月1日〜6月30日)のタイミングを考えると、7月下旬頃をメドに統計結果が公表される見通しです。

 


 

上記の特定技能外国人に限らず、今後、就労・生活を目的として日本に入国する外国人のさらなる増加が見込まれます。

そこで、出入国在留管理庁は、先般、外国人生活支援ポータルサイトを開設しました。

 

その中のコンテンツとして、『生活・就労ガイドブック』が公開されています。

これは、総合的対応策の中に盛り込まれた施策(施策番号9)のひとつで、日本での生活・就労のために必要な基礎的情報(在留手続・労働関係法令・ 社会保険・防犯・交通安全等)について省庁横断的にまとめられた冊子です。

 

総合的対応策によれば、上記ポータルサイトで発信するほか、「在外公館、在日外国公館、空港、地方公共団体、 企業、学校等で配布するなど、国内外で幅広く提供する」としています。

また、「対応言語については、 11 か国語を目途に多言語化を進める」とされていますが、現時点で、英語版はリリースされているようです。

 

外国人に理解してもらう前に、まずは受入機関(企業等)がこの内容をしっかりと把握することが重要に思われます。

 

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