【最新】社会保険料と外国人に関する新方針

  • 2018.11.09 Friday
  • 14:45

来年4月に予定されている新在留資格のスタートに向けて、法務省では各方面からの調整が進められています。

最新の報道によると、社会保険料を滞納している外国人については、ビザの更新を認めない(場合によっては在留資格を取り消す)とする方針が法務省で検討されているようです。

具体的には指針(ガイドライン)を改正し、悪質な社会保険料の不払いなどがあれば在留を認めないようにする方向で調整されています。

違いがわかるように、現在(2018年11月9日現在)の指針(在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(改正))を以下に引用します。


 

1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
申請人である外国人が行おうとする活動が,入管法別表第一に掲げる在留資格に
ついては同表の下欄に掲げる活動,入管法別表第二に掲げる在留資格については同
表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動であることが必要となります。


2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
法務省令で定める上陸許可基準は,外国人が日本に入国する際の上陸審査の基準
ですが,入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動
を行おうとする者については,在留資格変更及び在留期間更新に当たっても,原則
として上陸許可基準に適合していることが求められます。
また,在留資格「特定活動」については「出入国管理及び難民認定法第七条第一
項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(特
定活動告示)に該当するとして,在留資格「定住者」については「出入国管理及び
難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に
掲げる地位を定める件」(定住者告示)に該当するとして,上陸を許可され在留して
いる場合は,原則として引き続き同告示に定める要件に該当することを要します。
ただし,申請人の年齢や扶養を受けていること等の要件については,年齢を重ね
たり,扶養を受ける状況が消滅する等,我が国入国後の事情の変更により,適合し
なくなることがありますが,このことにより直ちに在留期間更新が不許可となるも
のではありません。


3 素行が不良でないこと
素行については,善良であることが前提となり,良好でない場合には消極的な要
素として評価され,具体的には,退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行
為,不法就労をあっせんするなど出入国管理行政上看過することのできない行為を
行った場合は,素行が不良であると判断されることとなります。


4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
申請人の生活状況として,日常生活において公共の負担となっておらず,かつ,
その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること
(世帯単位で認められれば足ります。)が求められますが,仮に公共の負担となっ
ている場合であっても,在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には,そ
の理由を十分勘案して判断することとなります。


5 雇用・労働条件が適正であること
我が国で就労している(しようとする)場合には,アルバイトを含めその雇用・
労働条件が,労働関係法規に適合していることが必要です。
なお,労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は,通常,
申請人である外国人に責はないため,この点を十分に勘案して判断することとなり
ます。


6 納税義務を履行していること
納税の義務がある場合には,当該納税義務を履行していることが求められ,納税
義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば,納税義
務の不履行により刑を受けている場合は,納税義務を履行していないと判断されます。
なお,刑を受けていなくても,高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も,
悪質なものについては同様に取り扱います。
7 入管法に定める届出等の義務を履行していること
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は,入管法第
19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定す
る在留カードの記載事項に係る届出,在留カードの有効期間更新申請,紛失等によ
る在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義
務を履行していることが必要です。
<中長期在留者の範囲>
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人で,次の 銑
のいずれにも該当しない人
 孱碍遏廾焚爾虜瀘唄間が決定された人
◆崔惨滞在」の在留資格が決定された人
「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
 銑の外国人に準じるものとして法務省令で定める人
特別永住者


 

上記「」に記載があるように、現時点では、納税義務を履行していないとしても、それは「消極的な要素として評価」されるだけであって、必ずしも更新を認めない、あるいは在留資格を取り消すとされているわけではありません。

これを、今後は厳格化して外国人に社会保険の適正な運用を確保することが推進されることになります。

どれくらいの滞納なら更新不許可あるいは取消しの対象になるのか、このあたりは今後詰めていくということですが、与野党内から激しい反発がある今回の法改正の審議状況を踏まえると、反対派を納得させるための一つの布石のように思えてなりません。

いずれにせよ、当事者となる外国人の方にとっては極めて重要な情報ですので、改めてご自身の公的義務履行状況を見直しておくことをお勧めします。

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【実務】帰化申請と年金制度(3)

  • 2018.09.28 Friday
  • 18:41

帰化申請において、年金の加入実績を証する書類として提出が求められるのは、主に下記の書類です。

(以下、東京法務局の場合をベースにしています)

 

【第1号被保険者】※次のうちどれか

(1)ねんきん定期便の写し

(2)年金保険料領収書の写し

(3)年金事務所の確認書

 

【厚生年金法適用事業主】

(4)年金保険料領収書の写し

(5)年金事務所の確認書

 

上記のうち、「(1)ねんきん定期便」は国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)に対して、誕生月の2か月前に作成し、誕生月に加入者に郵送されるハガキサイズの書類です。
 

しかし、なかには既に紛失してしまっている方も少なからずいらっしゃいます。

その場合は、それに代わる書類として、年金事務所発行の「被保険者記録照会回答票」(サンプル下図)という書類でも代替できる場合があります。

 

ねんきんネットに登録している方であれば、ネット上でも表示・印刷できるようですので、もし年金関係証明書の準備に困った場合は、一度確認されることをお勧めします。

 

【参考】電子版:被保険者記録照会回答票

 

 

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【実務】帰化申請と年金制度(2)

  • 2018.08.24 Friday
  • 19:09

今回の日本の年金制度について概要を解説します。

 

日本の公的年金制度は、「国民皆年金」という特徴を持っており、20歳以上の全ての人が共通して加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金などによる、いわゆる「2階建て」と呼ばれる構造になっています。

 

 

国民年金に加入する義務があるのは、「日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者」とされています(国民年金法7条1項1号)

★したがって、外国人であっても加入義務があることに注意が必要です。

 

また、前回ご説明したとおり、被保険者は20歳からのライフスタイルに応じて以下の3種類に区分されています。

 


 

1号被保険者:自営業者やパートなど、第2号被保険者や第3号被保険者になっていない20歳以上60歳未満の方。

 

2号被保険者:会社員や公務員など、厚生年金に加入している方。

 

3号被保険者:第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者の方。

 


 

帰化申請の場合、年金の保険料納付証明等の提出が求められるのは上記のうち原則として1号被保険者のみです。

2号被保険者であれば、基本的に会社が給与から差し引いて納付しているため、「在勤給与証明書」等で加入及び納付状況が確認できるからです。

また、3号被保険者であればそもそも本人に納付義務はないためです。

※会社経営者の場合は、厚生年金法適用事業主に該当するため、別途納付証明等の提出が必要です。

※管轄の法務局によっては、2号被保険者であっても「ねんきん定期便」等の提出が求められる場合があります。

 

★帰化申請の実務において注意すべきは、2号被保険者が「退職」などにより1号被保険者になった場合に、あるいは3号被保険者が就職した場合に1号又は2号被保険者になった場合等に、しっかりと切り替え・納付手続きができているかという点です。

 

本人にとっては転職等に伴うライフスタイルの変化で手一杯になり、手続きモレが生じていることが少なくありません。

 

もし、加入すべき時期に加入が遅れてしまったり、納付を忘れてしまった場合は、その期間中は空白が生じてしまうことがあるため、帰化審査に際しても公的義務を適正に履行していないとして、不利に斟酌される可能性があります。

 

そのため、まずは上記制度概要をしっかりとおさえたうえで、自分が第何号に該当するのかを理解し、転職等環境が変化した際にはしっかりと適切な切り替えができているか前もって確認することが大切です。

 

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