【改正入管法】基本方針・分野別運用方針・総合的対応策の要旨

  • 2018.12.28 Friday
  • 11:32

 

来年4月の改正入管法施行に向けて、政府は25日に【基本方針と【分野別運用方針】を閣議決定しました。

 

基本方針】は、新在留資格「特定技能」ビザの制度運用に関する方針を定めたもので、【分野別運用方針】は、受け入れ見込み人数や具体的な業務等について14業種ごとの方針を定めたものです。

 

さらに注目すべきは、外国人材の受入れ・共生のための施策を定めた【総合的対応策】も同時に了承・公表された点です。

★この【総合的対応策】は、特定技能ビザに限らず、すべての在留外国人が対象となっており、その施策分野も広範であるため、とても重要です。

 

以下、それぞれの要旨について、最重要事項と思われるものを中心に簡単にまとめます。

 


 

基本方針

 

・外国人が大都市圏等に集中しないよう必要な措置を講ずるよう努める。

 

・受け入れ分野(特定産業分野)は下記14分野であり、関係行政機関において分野ごとに分野別運用方針を策定する。

 

《特定産業分野》

1介護業/2ビルクリーニング業/3素形材産業/4産業機械製造業/5電気・電子情報関連産業/6建設業/7造船・舶用工業/8自動車整備業/9航空業/10宿泊業/11農業/12漁業/13飲食料品製造業/14外食業

 

・日本人の雇用機会の喪失や処遇低下等を防ぐ等の観点から、分野別運用方針で、当該分野の向こう5年間の受け入れ見込み数を示す。当該見込数は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、外国人受入れの上限として運用する。

 

・日本語能力試験(テスト)は原則として国外で実施する。

 

・悪質な仲介業者を排除するため、法務省は2国間取り決め等必要な方策を講じる。

 

・特定技能外国人の報酬額は日本人と同等以上とする。

 

・受入れ先企業は、特定技能外国人に対して生活支援を実施する義務がある。

 

・同一業務や業務内容に共通性がある場合は転職を認める。

 

・雇用形態はフルタイムとした上で、原則直接雇用とし、特段の事情がある場合は例外的に派遣を認める。

 

 


 

分野別運用方針

 

・特定技能1号の技能試験及び日本語能力判定テストの開始予定時期について、2019年4月としている分野は、介護業・宿泊業・外食業の3分野のみ。それ以外の分野は2019年秋以降や2019年度内とされている。

 

・受入見込数の合計は34万5150人。

 

・受入見込数が一番多い分野は介護業で6万人、次いで外食業の5万3000人、建設業の4万人が続く。

 

・14の分野のもと、それぞれ具体的な業務が「試験区分」に基づき細分化・規定されている。

 

《例》素形材産業の場合

・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・めっき ・アルミニウム陽極酸化処理 ・仕上げ ・機械検査 ・機械保全 ・塗装・溶接 の13試験区分

 

 


 

総合的対応策

 

・都道府県や政令指定都市等100か所に一元的相談窓口「多文化共生総合相談ワンストップセンター(仮称)」を設置。また、「生活・就労ガイドブック(仮称)」を多言語で作成・配布する。

 

・医療や災害対策、運転免許取得、住宅、金融等の面でも多言語化等により支援する。

 

・日本語教育体制を充実化するとともに、日本語教育機関に対する規制を厳格化する。

 

・留学生が就職できる業種の幅を広げるため、2019年3月を目途に法務省告示の改正を行う。また、中小企業への就職支援のため、各種提出書類の簡素化を検討する。

 

・施策情報を提供する「高度外国人材活用推進プラットフォーム」を日本貿易振興機構に設置する。

 

・事業所や外国人に対する社会保険への加入を促進させるとともに、健康保険の被扶養者を原則国内居住者に限定する方針。

 

・技能実習について、各国と二国間協定を締結するとともに、特定技能ビザ対象国(9か国)との間で悪質なブローカー排除のため「政府間文書」の作成を目指す。

 

・外国人本人に代わってビザ手続きができるオンライン申請手続きの一部運用を2018年度中に開始する。

(当初の対象となる手続きは、在留期間更新許可申請・資格外活動許可申請・再入国許可申請となる見込み)

 

・法務省と厚労省が連携・情報共有し、業種別・地域別の就労状況を正確に把握することで在留管理体制を強化する。

 


 

なお、上記オンライン申請手続き導入に伴う法務省令改正については、12月27日付けでパブリックコメントが公示されています。

 

今後来年初旬にかけて、具体的な手続き規定について順次法務省令が改正されていくものと思われます。

 

 

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【最新】入管法改正案が衆議院を通過しました

  • 2018.11.29 Thursday
  • 19:00

入管法改正案は27日夜に衆議院で可決され、参議院で審議入りしました。

政府は、12月10日までの国会会期内の成立を目指しています。

これまでも本ブログで紹介しているとおり、今般の改正で新設されるビザは特定技能1号特定技能2号の2段階構成となっています。

現時点で想定されている特定技能制度をまとめると下記のようになります。

下記のとおり、3年間の技能実習を終えた技能実習2号から特定技能1号へ移行できる構図になっており、実際にかなりの割合で技能実習からの移行(事実上の延長)が行われるといわれています。

また、技能実習1〜3号の上限は通算5年で、特定技能1号の上限は5年なので、これにより最長10年間の滞在が可能になります。さらに熟練した技能が認められれば特定技能2号への格上げもでき、在留期間の上限がない、事実上の永住への道も開かれます。

政府は当初より今般の改正は『移民政策とは異なる』として繰り返し主張しています。

しかし、事実上の移民政策にあたるとする意見も多く、議論が噛み合わない印象を受けます。

その背景には、そもそも「移民」の定義が双方で一致していないという点が挙げられます。

国連によれば、「移民」とは「1年以上外国に居住している人」としていますが、政府は、「国民の人口に比して、一定程度のスケールの外国人およびその家族を、期限を設けることなく受け入れることによって、国家を維持していこうとする政策」が移民政策であり、今回の政府案はそれにあたらないとの立場をゆずりません。

先にみたように、特定技能2号に移行すれば、家族の呼び寄せが認められ、在留期間の上限もありませんので、更新が認められる限り、事実上日本に永住することもできます。さらに、永住許可要件を満たせば、永住者のビザを取得でき、活動に制限なく家族とともに日本に住み続けられる可能性も出てきます(ただ、永住要件は収入条件等ハードルが高いため、実際は相当厳しいと思います)。そのため、国際的な考え方に照らせば、移民政策といわれる理由も理解できるように思えます。

なお、現在受け入れが検討されているのは下記14業種とされています。

ところが、具体的な受け入れ分野は法案には明記されず、下位規範である法務省令に委任される形式をとっているため、今後はさらに範囲が拡大する可能性も否定できません。

法案ベースでは、未確定要素が多すぎるといった印象です。衆院でどこまで議論を詰められるかが注目されます。

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【最新】新在留資格の受け入れ業種(コンビ二業)

  • 2018.11.06 Tuesday
  • 19:04

 

前回のエントリーでは、新在留資格において検討されている具体的な受け入れ職種についてご案内しました。

 

日本で働く外国人は現在130万人にのぼるといわれており、

日本で暮らす外国人の総数(約256万人)のうちおよそ半数を占めるわけですが、

“日本で働く外国人”と聞いて思い浮かべる職種のひとつに、

コンビ二エンスストア』の外国人アルバイトを挙げられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特に首都圏では、ここ数年で本当に多くなりましたね。

 

そういった背景からもわかるように、コンビニ業界こそ、外国人従業員を求めている業界に挙げられるはずです。

ところが、先般公表された14種類の業種に、コンビ二業は入っていません。

 

数ヶ月前までは、コンビニ業界も受け入れの要望をしていたようですが、なぜ取り込まれなかったのでしょうか?

 

政府は、その理由を「接客」に求めています。

わたしたちが普通にイメージできるように、コンビ二の仕事は大半が来店した客へ販売等を行う接客です。

このような「接客」に焦点化した仕事だと、一定の技術や技能を求める『特定活動』ビザの趣旨に照らして、適合させるのが難しいというのが、その理由のようです。

 

ところが、同じく「接客」要素が多分に含まれる『外食』産業については、受け入れ検討業種に含まれています。

この違いはいったいなんのか。

 

その答え(答弁)はいまだ明確ではありません。

来年4月の施行はほぼ確実とも言われている中、あまりに不透明な要素が多いのが今回の法改正の特徴といえるでしょう。

 

今後も法案審議の動向を注視する必要があります。

 

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